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【農家レストラン農々家】郷土料理に欠かせない!カラトリ芋の収穫と保存食作り

秋の農業体験として、庄内町の「農家レストラン農々家」にて毎年行われている、カラトリ芋の収穫体験イベント。
令和3年は10月23日と28日の2日間開催しましたので、当日の様子をご覧ください。

―古くから親しまれてきた在来野菜―

今からさかのぼること280年ほど前。
1735年の奥羽庄内領産物帳に「紫芋たうのいも からとり」という記述があり、江戸時代にはここ庄内がカラトリ芋の産地だったことが伺えます。親芋、子芋、茎、葉の一部に至るところまで食べることができ、地域の伝統料理に欠かせない食材です。

また、茎を乾燥させた「芋がら」は昔ながらの保存食として、今日まで親しまれてきました。大根と共に軒下で吊るし乾燥させる光景は、庄内における秋から冬にかけての風物詩となっています。

―カラトリ芋フルコースを堪能―

まず、カラトリ芋や旬の自家製野菜を使用した特製ランチをいただきました。

写真上段は芋がらを使用した「鶏あんべ(写真左)」と「生芋がらと菊のお浸し(写真右)」
芋がらは歯ざわりが良く噛めば噛むほど深い味わいになり、慣れ親しんだ、どこか懐かしいお味です。

写真下段は親芋部分を使用した「コロッケ(写真左)」と「グラタン(写真右)」
カラトリ芋は姿形が里芋に似ていますが里芋のようなぬめりがなく、濃厚でねっとりした食感。とてもまろやかなので、洋食にも合うんですよ。

山形県民のソウルフードである芋煮汁と、店主の高梨さんの田んぼで育てられたつや姫ご飯は、この上ない最高の組み合わせ。メインと言っても良いほど、食材の旨味が引き立ちます。

この他にも前菜やデザートなど旬の食材を活かしたメニューが提供され、まさに秋の味覚がギュギュっと凝縮されたフルコースです。

―庄内平野のど真ん中で、収穫体験!―

カラトリ芋料理を堪能したあとは、いよいよ畑にて収穫体験です。日本有数の米どころ、庄内平野で行う収穫体験はこんなにも開放的!

大きいものだと180cmに成長するカラトリですが、今年は日照りの影響でサイズは小さめ。それでも親芋と子芋はたわわに実りずっしりと重いので、スコップを掘る手に力が入ります。ぬかるみに何度も足を取られながらも、食後の良い運動となりました。

掘り起こしたカラトリ芋から親芋と子芋を傷つけないよう、包丁で丁寧に外します。参加者の皆さんは日々の喧騒から解き放たれ、黙々と土いじりに没頭するのでした。

小さなお子さんも泥だらけになりながら、収穫のお手伝い。
スコップや包丁の使い方を学び、せっせと畑仕事に精を出します。江戸時代の子供たちも、こうしてお手伝いをしていたのでしょうか。

―昔ながらの保存食作り―

いよいよイベントのクライマックス、収穫したカラトリ芋の茎を藁で編む”芋がら”作り。

まず、包丁で茎の皮をひたすら剥く作業。スルスル剥けるととても気持ちが良く、一心不乱に皮を剥く参加者の皆さん。時間も忘れ、ただひたすらに没頭するのでした。

皮むきを終えると、稲刈りで出た稲藁で茎を編んでいきます。
「乾燥すると縮まるさげ、編むな緩いど、干した時外れるからの~」とアドバイスをいただきながら、テンポよく編んでいき、最後に”縄ない”に挑戦。講師の高梨さんが縄ないを披露すると「手品みたいだ!」と歓声が上がりました。

そしてついに、芋がらの完成です!あとはご自宅のベランダや軒下に吊るして乾燥させれば、冬の保存食の出来上がり。
今年の冬は自分で作った芋がらで、特製の納豆汁やお雑煮を味わえますね。

小さなお子さんは、針金ハンガーを使用した芋がら作りを行いました。現代はこの針金ハンガーを使用した芋がら作りが主流で、藁で編む方法は珍しくなってきたそうです。

自分で収穫した野菜が形になって嬉しそうですよね。幼少期にこうした農業体験を親子で経験できますので、お子さんの食育にもうってつけの企画となっています。

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秋のうちに保存食を作り、食べ物がない厳しい冬を乗り越える先人の知恵を、今回のイベントを通して垣間見れたような気がします。
最初に食べたカラトリ芋料理を作るために、どれほどの手間暇がかかっているのかを参加者の皆さんは実感できたのではないでしょうか。

庄内の文化に触れ、秋を楽しむイベントに次はぜひご参加ください。

▼カラトリ芋の収穫体験はこちらから
\在来野菜カラトリ芋 掘って!編んで!食べて!/

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